Koichi Iwasaki Blog, Global Trade, ONESOURCE April 14, 2017 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の離脱に関する米国大統領による2017年1月20日の公式発表は、日本のほとんどの産業にとって意外な結果でした。 日本はこのTPP合意により米国との間で多くの利益を期待しており、TPP協定に基づいて新たなプロセスと手続きを確立することを検討していました。 米国大統領の離脱公式発表当時、日本政府は米国抜きでのTPPを推進する事は難しいであろうと考えていました。 現在では米国との新たな取り組みを進めると同時にその他の協定を追及する状況へと変化しております。 安倍総理大臣は、この状況の変化に伴い2つの案件を引き続き交渉していく旨を発表しました。 ・ 米国以外の11か国で今後はTPPを推進 · ・ 日本-米国間の単独FTA締結を推進 11か国でのTPP発効 米国の正式離脱発表後、今年の3月15日チリで行われたTPP会議でオーストラリアは残り11か国で発効に向けて進めていく事を提案しました。本会議に参加した内閣府次官はこの提案に対して他の参加国メンバーも興味を示す印象だったと報告しています。この状況を踏まえ、今年5月にベトナムで行われる次のTPP会議の際には11か国でのTPP推進に関して改めて参加国メンバーと協議する事になりました。 ベトナムで開催される次回のTPP会議の議題は以下の通りとなります。 1. 各国の11か国での推進への期待度を再確認 2. 条件を含む既存の契約内容の修正 3. 国内法と規制の関係 4. 今後の工程(見直し等含め) 5. 既存のEPA/FTAとの関連性
日本-米国間の単独FTA締結に関しては、提案が始まったばかりである事、双方の規制緩和対象(自動車業界、農業産業等)の解決が困難であると予想される事を踏まえ、今後の協議は困難になる事と時間を要する事が想定されます。 但し、本単独FTA締結の正式発表はされておりません。従って、両政府間で何らかの合意がされているのであれば、今年中には正式な発表及び協議開始が予想されます。 日本-米国単独FTAへの懸念要因 □ 米国から日本への農産物やその他の輸入 · TPP締結内容を上回る関税引き下げ □ 日本から米国へ輸入される自動車及びそれらの部品に対する輸入関税引き下げ · 米国以外で製造若しくは組み立てられた品目への輸入関税 □ メキシコ工場に関連するNAFTA協定の見直しによる影響 □ 原産地規則 □ 監査頻度 · 韓国-米国間FTAから見る実状 □ 税制改革(輸入企業)による税金の引き上げ 今後の新協定締結構想 現在日本では新たな貿易協定の締結に向けて以下の交渉を進めております。(TPP以外) ・ 日本-EU ・ 東アジア地域包括的経済連携(RCEP) 日本、中国、韓国、アセアン、インド、オーストラリア、ニュージーランド ・ 日中韓FTA ・ 日本-トルコ ・ 日本-コロンビア ・ 日本-米国 米国のTPP離脱の影響で日本では想定外の影響が出てきたが、今後はTPP参加国及び米国との協議を引き続き行っていく事が各企業からの支持を維持出来る事となるでしょう。日本が新たな協定を追求する事は、日本の重要性を固める事と共に経済・国家の事業を支援する事であり、各協定内の条約をこれから固めていく事が必要となってきています。 FTAに関する情報はこちらを参照お願いします。 関連記事、情報 http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/data/y7_2.pdf http://www.meti.go.jp/english/policy/external_economy/trade/FTA_EPA/index.html |
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米国のTPP不参加表明による日本への影響 |